コンサルタント

コンサルタントの年収はどれくらい?企業別の年収ランキングと業界の実態や仕事内容を解説

「コンサルタント」と聞くと、年収が高い職種という印象を持つ方が多いのではないでしょうか。しかし、実際には年収には幅があり、働く業界や企業、役職、経験年数によって大きく異なります。

「実際の平均年収はどのくらい?」「どんな業界・企業に勤めると高収入が狙える?」「キャリアアップの道筋は?」など、コンサルタントに興味はあるものの、具体的なイメージが持てていない方も多いはず。

そこで本記事では、コンサルタントの年収相場を企業や業界ごとに詳しく解説するとともに、仕事内容やキャリアパスの実態にも触れていきます。コンサルタントとしてのキャリアを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

コンサルタントの平均年収・相場を解説

コンサルタントと一口に言っても、経営、IT、戦略といった専門分野別に分類されるほか、医療、製造、金融などの業界特化型コンサルタントも存在します。また、外資系か日系か大手かブティック型(少数精鋭の独立系)かによっても、仕事内容や年収は大きく異なります。

本記事では、まずコンサルタント全体の平均年収に触れたうえで、業界別・企業別・年齢別にどのような年収差があるのかを詳しく解説します。これからコンサルタントとしてのキャリアを検討している方は、自身の志向やライフステージに合ったキャリアパスを考える材料として、ぜひ参考にしてください。

 H3: コンサルタント全体の平均年収と年齢ごとの違い

コンサルタント全体の平均年収は、年齢や役職によって大きく異なります。多くのコンサルティングファームでは、役職に応じた年収テーブルが用意されており、キャリアの階段を上がるごとに年収も着実に上がっていくのが特徴です。

たとえば、新卒〜20代前半のアナリスト(ジュニアクラス)では年収500万〜800万円程度が相場です。一方、30代〜40代でマネージャー職に就くと1000万円を超えるケースが一般的で、さらにその上位であるパートナー(役員クラス)になると、年収2000万円以上に達することも珍しくありません。

このように、コンサルタントの年収は「年齢」よりもむしろ「役職」に連動している点が特徴です。次章では、より詳細に年齢別・業界別にどのような年収傾向があるのかを見ていきましょう。

役職目安年齢経験年数年収レンジ(万円)
アナリスト22~28歳0~3年500~800
コンサルタント22~35歳0~6年500~1,300
シニアコンサルタント25~35歳0~6年700~900
マネージャー28~40歳2~10年900~1,400
シニアマネージャー32~45歳5~15年1,300~1,800
パートナー35歳以上7年以上2,000以上

参照元:コンサルティング業界の想定年収 リクルートエージェント

外資系コンサルタントの平均年収

外資系コンサルタントとは、外資系企業や外資系コンサルティングファームに所属し、クライアント企業の課題解決を支援するコンサルタントを指します。

もともとコンサルタントという職業はアメリカ発祥とされており、現在では日本国内にも数多くの外資系ファーム(例:マッキンゼー、BCG、アクセンチュアなど)が進出・定着しています。

外資系ファームは、グローバル企業との取引やプロジェクトも多く、成果主義の報酬体系が一般的。そのため、日系企業よりも年収が高くなる傾向があります。

以下では、外資系ファームにおける年齢別の年収相場を代表的な企業ごとにまとめています。キャリアアップを目指す方は、自分の年齢・経験と照らし合わせながらご覧ください。

ファーム名20代(万円)30代(万円)40代(万円)50代以上(万円)備考
マッキンゼー・アンド・カンパニー700~1,5001,215~2,0001,456~3,0005,000以上トップ層はさらに高額
ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)640~1,800967~4,8001,257~5,000以上1,740~1,850役職により大きく変動
デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)400~800600~1,500900~1,7001,000以上30代中頃で平均938万円到達
PwCコンサルティング666~1,000841~1,4501,251~2,5001,544以上30代で1,000万円到達の可能性
KPMGコンサルティング630~678815~8771,100~1,450-40代前半で年収増加傾向 
EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング550~850833~1,5001,581~3,5001,108~1,90040代前半で年収が大きく上昇
アクセンチュア619~1,500813~3,000993~3,2001,144以上幅広いレンジで推移

日系コンサルタントの平均年収

日系コンサルティングファームとは、日本国内に本社を置く企業によって運営されているコンサルティングファームを指します。代表的な企業には、野村総合研究所(NRI)やアビームコンサルティング、ベイカレント・コンサルティングなどがあります。

一般的に、日系ファームの平均年収は外資系と比較するとやや低い傾向にありますが、すべてが劣っているわけではありません。特にシンクタンク系や戦略系の上位ファームでは、外資系コンサルティングファームと遜色ない年収を提示している企業も多く存在します。

また、日系ファームの特徴としては、日本企業ならではの商習慣や文化への深い理解があり、クライアントと長期的な関係性を構築しながら支援を行う姿勢が挙げられます。単発の成果にとどまらず、持続的な事業成長を支援する点が大きな強みです。

ファーム名20代(万円)30代(万円)40代(万円)50代以上(万円)備考
野村総合研究所(NRI)576~727905~1,1461,212~1,4531,555~1,58230代前半で1,000万円到達の可能性
ベイカレント・コンサルティング630~845895~1,1281,193~1,52240代後半のデータのみ30代で1,000万円到達の可能性
アビームコンサルティング600~649718~942945~1,19240代後半のデータのみ40歳で1,000万円到達の可能性
ドリームインキュベータデータなしデータなしデータなしデータなし平均年収1,770万円

主要業界別コンサルタントの平均年収

最後に、業界別のコンサルタントの平均年収について解説します。

コンサルタントは、IT・医療・製造業・金融・M&A・人事・戦略など、多様な業界・領域で専門的な支援を行っています。そのため、求められるスキルや知識は業界ごとに異なり、平均年収にも差が出る傾向があります。

本記事では以下の6つの代表的な業界におけるコンサルタントの平均年収とその特徴を紹介します:

  • ITコンサルタント
  • 医療コンサルタント
  • 製造業コンサルタント
  • 金融・M&A系コンサルタント
  • 戦略コンサルタント
  • 人事コンサルタント

それぞれの領域でどのような役割が求められ、どの程度の年収が期待できるのかを詳しく見ていきましょう。

業界名20代(万円)30代(万円)40代(万円)50代以上(万円)備考
ITコンサルタント450~550 600~750800~90089720代後半から30代前半で大きく伸びる傾向 。45-49歳でピーク約760万円。
医療コンサルタント300~600470~1,000540~1,000以上620~1,000以上データ源により年収水準に幅あり。専門性・実績で40代以降高収入期待。
製造業コンサルタント400~600600~900800~1,2001,000~1,500以上-
金融・M&A系コンサルタント500~700700~1,400900~2,000以上2,000以上M&A特化ファームでは成果報酬によりさらに高額なケースあり。
戦略系コンサルタント500~800900~2,0001,700~2,500以上2,500以上-
人事コンサルタント390~720470~970550~900721所属ファームや専門性により年収水準に幅あ

コンサルタントの仕事内容

ここでは、コンサルタント企業における主な仕事内容について解説します。

コンサルタントの業務内容は一律ではなく、担当する業種(IT、医療、金融など)や役職(アナリスト〜パートナー)によって大きく異なるのが特徴です。

たとえば、ジュニアクラスでは市場調査や資料作成、データ分析などの実務支援が中心となりますが、マネージャークラス以上になると、クライアント企業の課題抽出や戦略提案、プロジェクトマネジメントなど、より上流工程の支援業務を担います。

また、業界によって支援内容も異なり、ITコンサルタントであればシステム導入や業務改善、戦略コンサルタントであれば中長期の事業方針策定など、求められる専門性も大きく異なります

次に役職別・業種別に詳しく仕事内容を解説していきます。

コンサルタントの役職ごとの仕事内容

コンサルタントのキャリアは明確な階層構造で成り立っており、一般的には以下の6段階に分けられます。

  • アナリスト
  • コンサルタント
  • シニアコンサルタント
  • マネージャー
  • シニアマネージャー
  • パートナー

ここでは、それぞれの役職における具体的な仕事内容と求められるスキルについて解説します。

アナリストの仕事内容

コンサルタントとしてのキャリアのスタート地点です。主にリサーチ業務、データ分析、資料作成など、プロジェクトを円滑に進行させるためのサポート業務を担当します。

  • 市場調査や競合分析
  • インタビューの議事録作成や資料まとめ
  • ExcelやPowerPointでのデータ可視化・レポート作成

上司の指示に基づき、正確かつ迅速なアウトプットが求められます。

コンサルタントの仕事内容

アナリストから昇進し、プロジェクトの実務担当として活躍します。仮説構築や課題整理など、より戦略的な業務が増えていきます。

  • クライアントの課題の整理と分析
  • 解決策の仮説構築と提案資料の作成
  • クライアントへのヒアリング・進捗管理

アナリストをリードしつつ、実務の中心を担うポジションです。

シニアコンサルタントの仕事内容

複数のプロジェクト経験を経て昇進する中堅ポジション。専門性とリーダーシップの両方が求められます。

  • 大規模または複雑な案件への参画
  • クライアントに対する高度な提案・実行支援
  • チームメンバー(アナリスト・コンサルタント)の指導・育成
  • プロジェクトの品質管理と進捗管理

マネージャーの補佐役としても重要な立ち位置となります。

マネージャーの仕事内容

プロジェクトの責任者として、全体を統括します。上層部と直接対話し、案件の成功にコミットする役職です。

  • プロジェクト設計・予算管理・品質管理
  • クライアント経営層との折衝・提案
  • チーム全体のマネジメントと育成
  • 複数プロジェクトの並行管理

一部のファームでは、営業目標(案件獲得)を担う場合もあります。

シニアマネージャーの仕事内容

マネージャーを統括するポジションであり、高い経営視点と組織全体への影響力が求められます。

  • 特定業界または部門全体の統括
  • 大規模クライアントとの長期リレーション構築
  • 新規サービスの立案・導入推進
  • 自社ビジネスの戦略策定・拡張

経営層に近い立場で、組織全体に大きな影響を与えるポジションです。

パートナーの仕事内容

コンサルティングファームの経営層にあたる最上位役職です。企業の成長と収益に直接的に責任を持つ存在となります。

  • 自社の経営戦略や組織運営への関与
  • 新規案件の獲得とブランド構築
  • クライアントとの関係強化・営業活動
  • プロジェクト全体の最終責任者

多くの人材を束ねる経営的立場であり、ビジネスと人の両面に高い視座が求められます。

コンサルタントの業種ごとの仕事内容

コンサルタントの業務範囲は非常に広く、関わる業種によって仕事内容や求められるスキルが大きく異なります。ここでは、主要6業種におけるコンサルタントの具体的な仕事内容を紹介します。

ITコンサルタントの仕事内容

ITコンサルタントは、クライアントの経営・業務課題をITの力で解決する役割を担います。
主な業務は以下のとおりです:

  • IT戦略の立案・ロードマップ策定
  • システム・ツールの選定・導入支援
  • プロジェクトの進捗管理と予算策定
  • 導入後の運用体制構築と改善提案

システムエンジニアが「作る」役割であるのに対し、ITコンサルタントは経営層と対話しながら、IT導入の上流工程から関与します。

医療コンサルタントの仕事内容

医療機関や医療関連企業向けに経営支援を行うのが医療コンサルタントです。
主な支援内容は:

  • 病院やクリニックの業務効率化・収益改善
  • 診療報酬改定への対応
  • 医療機器・製薬会社の事業拡大やM&A支援
  • 経営戦略の策定と実行支援

医療制度や法規制への理解が求められ、専門性の高い知見が必要です。

製造業コンサルタントの仕事内容

製造業の現場改善や経営効率向上を支援します。
具体的には以下のような業務があります:

  • 生産工程の見直しと改善提案
  • 原価・コスト削減戦略の策定
  • 品質管理体制の整備
  • グローバル展開支援(工場移転、サプライチェーン再構築)
  • DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進

経営層から現場まで密に連携しながら、実行支援まで踏み込む実践的なコンサルティングを行います。

金融・M&A系コンサルタントの仕事内容

主にM&A(合併・買収)に関わる支援を行い、企業価値の最大化を目的とします。
代表的な業務は以下のとおりです:

  • M&A戦略の立案・買収対象の選定
  • デューデリジェンス(財務・法務調査)の実施
  • 交渉・契約支援
  • PMI(買収後の統合)支援

戦略・ファイナンス・法務の知見が求められ、専門性の高い分野です。

戦略コンサルタントの仕事内容

経営層に向けて企業の成長戦略や経営方針の最適化を支援します。
主なテーマは以下のとおりです:

  • 中長期経営戦略の立案
  • 新規事業開発や市場参入戦略
  • グローバル展開支援
  • マーケティング・営業戦略の再構築

近年では、戦略立案だけでなく、実行支援まで行うケースも増加しています。

人事コンサルタントの仕事内容

企業の人材戦略や組織課題に対応する専門家として、人事領域の変革を支援します。
主な支援内容は:

  • 採用戦略の立案・業務プロセスの見直し
  • 評価・報酬制度の設計と導入支援
  • 人材育成プログラムの企画・運用
  • 組織開発、風土改革、離職率改善

人的資本の最適化を通じて、企業の中長期的な成長を後押しします。

コンサルタントになるために必要なスキルとは?

コンサルタントの仕事は非常に幅広く、業種や役職ごとに求められる専門スキルは異なります。しかし、どの分野のコンサルタントにも共通して必要とされる基礎的かつ汎用性の高いスキルがあります。

ここでは、コンサルタントとして活躍するために最低限身につけておきたい5つのスキルについて解説します。

論理的思考力

コンサルタントは、クライアント企業の課題を特定し、解決策を立案・提案する役割を担います。そのためには、複雑な情報を整理し、筋道を立てて思考する「論理的思考力」が欠かせません。

  • 問題の構造化
  • 原因と結果の分解
  • 説得力のあるストーリー構築

論理的なフレームワーク(MECE・ロジックツリーなど)の活用も重要です。

コミュニケーションスキル

コンサルタントは、クライアント企業の内部に入り込んで業務を支援する立場です。経営層から現場担当者まで、様々なステークホルダーと円滑に意思疎通を図る必要があります。

  • 信頼関係の構築
  • 多様な立場の人との調整力
  • 質問力・説明力・傾聴力

単なる話し上手ではなく、「伝える力」や「聞く力」を含めた総合的な対人スキルが求められます。

ヒアリング能力

コンサルタントの仕事は「課題を解決すること」ですが、その第一歩は「真の課題を見つけること」です。
定量データだけでなく、企業文化や内部の事情など定性的な情報の引き出しも重要になります。

  • 組織構造や業務フローの深掘り
  • 担当者の本音の引き出し
  • 仮説検証のための対話設計

課題が曖昧な場合ほど、ヒアリングの質が成果を左右します。

リサーチ・分析力

仮説構築や意思決定を支えるには、定量・定性両面の情報収集と分析力が不可欠です。市場・競合・業界などの外部情報と、社内データや現場ヒアリングを組み合わせ、実用的なインサイトを導きます。

  • 統計データや財務データの読み解き
  • 調査設計(一次・二次リサーチ)
  • エクセルやBIツールでの分析実務

「ファクトベース」で語れる力が信頼の源となります。

プレゼン能力

いくら優れた分析や戦略を立てても、クライアントに伝わらなければ価値は半減します。提案内容を明確かつ魅力的に伝えるプレゼン能力は、コンサルタントにとって必須のスキルです。

  • ストーリー性のある資料構成
  • 図解やビジュアルでの表現力
  • 質疑応答への対応力

相手の理解度や関心に応じて伝え方を調整できる柔軟性も重要です。

まとめ|コンサルタントの年収を上げるには「スキル×実績×戦略」が重要

コンサルタントとして高年収を目指すためには、論理的思考力やプレゼン力などのスキルに加え、現場での実績や豊富なプロジェクト経験が欠かせません。

新卒でコンサルタントを目指す場合

  • 学生時代からビジネススキルを磨き、選考対策を行う必要があります。
  • 特にケース面接や論理構築力を問う設問への準備は重要です。

社会人からコンサルへ転職する場合

  • まずは自分のスキル・経験の棚卸しを行い、業界にマッチする強みを明確にしましょう。
  • コンサル業界特有の面接形式や選考フローにも対応する必要があり、自己流での対策には限界があります。

また、コンサルティングファームの求人は、非公開・限定募集であるケースも多く、個人では情報をキャッチしきれないことも。

そのため、コンサルティング業界に特化した転職エージェントの活用がおすすめです。業界事情に詳しいアドバイザーが、あなたの強みを客観的に評価し、最適なポジションや対策を提案してくれます。

こんな方は今すぐプロに相談を

  • コンサルタントへの転職を真剣に考えている
  • 自分のスキルが通用するか不安
  • 戦略・M&A・ITなど専門領域で年収を上げたい

コンサル転職は情報戦です。年収アップやキャリアアップを目指す方は、まずは一度、専門エージェントに相談してみましょう。


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